令和6年度小学校教科書にQRコード登場!デジタルコンテンツで学び広がる~教科書選びは子ども達の意見も聞いて

◆新教科書では様々なデジタルコンテンツの活用が可能に

令和6年度から、小学校の教科書にデジタルコンテンツのQRコードが掲載されることとなりました。 
これにより、教科書を読み込んだタブレット端末から、ワークシートや動画、資料、音声などのデジタルコンテンツに簡単にアクセスすることができます。 
この変化により、授業や家庭学習において子どもたちが理解を進める手立てが増えることが期待されます。 

現在、小学校では一人の教員が音楽や図工以外の全教科を担当することがほとんどです。 
そのため、教員の得意不得意によって、授業の質に格差が生じることが課題とされています。デジタルコンテンツの導入により、教員にとってもさまざまな利点があります。ただし、デジタルコンテンツの活用に不慣れな教員でも十分に活かせるようなサポート体制の構築も同時に行うことが重要です。

◆教科書採択ではデジタルコンテンツも含めた精査と多様性の視点を

文京区教育委員会は、8月8日に令和6年度に使用する小学校の教科書を採択する予定です。教育委員会は教科用図書審議会から答申した複数の教科書の中から選定していくのですが、そのための調査がスタートしています。

▼ 令和6年度使用小学校教科用図書採択について 
http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0279/5962/shiryo_2.pdf 

今回の教科書採択では、紙の教科書に掲載されている内容だけでなく、QRコードを読み込んで表示される内容の審議も重要です。 
審議する教育委員等は、QRコードで読み込んだ内容に関する評価についても、なぜ良いのか、どこに問題を感じるか、などを精査し言及することが不可欠です。 

その際には、障害や特性の有無にかかわらず、どの児童生徒にとっても読みやすい教科書を選ぶことが重要です。そのためには、審議会委員や教育委員はユニバーサルデザインの視点を学び、専門家からのアドバイスも参考にしながら、個別最適な学びの実現を目指すべきです。 

また、子どもたちが、自分自身の視点だけでなく、多様な現実や価値観、そして人権や差別などについて学ぶことはとても重要です。様々な視点を持つことの重要性を理解し、他者への共感や理解を深めるだけでなく、問題解決のための力も身につけることにつながります。 
教科書の選定では、こうした視点も重視していくことが大切だと思います。

◆「こども基本法」に基づき子どもたち自身の意見も聞いて

さらに・・・ 

教科書は、子ども自身に直接関係する非常に重要な存在です。 
今年の4月にスタートしたこども基本法では、子ども自身に直接関係する事項については、「子どもが意見を表明する機会」や「その意見を尊重すること」が重視されています。では、教科書の採択プロセスにおいて、こうした考え方をどのように取り入れるのか、文京区教育委員会はどのように考えているのでしょうか。 

文部科学省に聴いたところ、当然、こども基本法の趣旨は重視しているとのことでした。 

文京区教育委員会は、教科書採択までの段階で、「区民の感想・意見も参考にする」としています。もちろん、区民の中には子どもも含まれており、これまでも子どもの意見を聴いてきたこともあるかもしれません。 

しかし、私は、子どもたちが直接的に意見を表明できる仕組みを新たに作ることが必要だと考えます。従来の区民の感想・意見の聴取方法だけでは、こども基本法の趣旨を十分に反映できないと感じるからです。 

子どもたち自身の意見を取り入れることには、以下の様なメリットが考えられます。 

  • 子どもたちの教科書に対する関心や理解を高めることにつながります 
  • 子どもたちが自分たちが使用する教科書を選ぶ権利や責任を持つことで、主体的な学びを育む機会となります 
  • 教科書の採択は、公正性・透明性に疑念を生じさせないよう適切に行われることが必要です。子ども達自身の意見を取り入れる仕組みを構築し、区民に公表することは、公正性や透明性の向上に寄与します

◆6/5~7/1展示 教科書採択にご意見と注視を

もちろん、子ども達自身の意見を取り入れる場合でも、最終的な採択権は教育委員会が有しており、子ども達自身の意見だけではなく、専門家の意見や地域社会等からの意見も参考にする必要があります。 

今後、子どもたち自身の意見をどのように聴きとり、どのように反映していくのか。デジタルコンテンツの活用を推進していく上でも、私たちは注視していく必要があります。 

教育センター内の教科書センターや小石川図書館では、6月5日から7月1日までの期間、教科書の見本を展示し、区民の意見を聴取する予定です。その場でQRコードを読み込めば、デジタルコンテンツも見られます。
ぜひ、この機会にご覧いただき、子どもたちの意見が反映される教科書採択に向けて関心を寄せてください。 

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