区民の請願は否決~制度上「独立性」が担保されない議会選出監査委員にこだわるのはなぜなのか?

「4年間の任期は馴れ合いになる危険がある」

これは、21日に開かれた議会運営委員会での、「議選出監査委員(議選監査委員)」について提出された請願の審議で出た意見です。

  • 選出の監査委員の廃止に向けた検討を求める請願
  • 選出監査委員の廃止を巡るメリット・デメリットについて区民への情報提供と情報共有を求める請願

上記の請願2本とも、私が所属している会派「文京みらい」以外の反対多数により、不採択になりました。

冒頭の意見は、請願の審査の中で、

「文京区は議員の任期4年の中で、月額報酬14万4900円の議選出監査委員を、1年ずつのローテーションで選任しているのが実情です。その結果、議員の身分を残したまま監査委員として執行機関の一員となる議員が4議員います。法改正により議員選出の監査委員を選任する義務付けが見直された今も、区長の行政運営を監視する立場にありながらも、文京区議会の約一割の議員が、執行機関の特別職に選任されています。そうした現状は、監査の独立性、中立性に疑問が生じてきます。

という請願の内容に対する発言です。

監査委員の任期は、「識見を有する者から選任された委員は4年、区議会議員から選任された委員は議員の任期による」とされています。

現在は、議会選出監査委員として、会派「自民党・無所属」の白石英行議員が選出されています。白石議員の任期は4年後の令和4年4月30日までになります。が、これまでは、請願で指摘されているように任期がありながらも、1年後には辞任届を出して次の議員が選出されるということが先例になっています。

文京区ホームページ 監査委員
https://www.city.bunkyo.lg.jp/kusejoho/kansa/kansaiin.html

「区長と馴れ合いになることを危惧」して、1年ごとの交代が必要だとの認識には驚きを覚えました。れ合いの可能性同じ議会内から懸念されるような議選監査委員を存続することに、どんな意味があるのでしょうか。

私は、議長・副議長と同様に、区長与党と言われる会派から当選回数などにより選任していく役職の一つが議会選出監査委員(議選監査委員)だと理解していました。議長・副議長は2年で入れ替わりますが、議選監査委員については、1年ごとに辞退して4年の任期中に4人の議員がなれるようにしていのが文京区議会の例だと考えていました。

それが、れ合いを防ぐためだったという見方には、耳を疑ってしまいました。「監査委員の任期は4年であり、議選監査委員以外の監査委員は4年間務めている実情に対して、4年間もやったら馴れ合いになるような可能性がある議員が、そもそも監査委員としてふさわしいのか?」・・・と区民のみなさんなら疑問を持たれないでしょうか。

また、「守秘義務について、一定の縛りはあっても議会のチェック機能を高める可能性がある」という意見もありました。 監査委員は、守秘義務課せられます。そのため、監査で得た情報を議会内で共有することはできません。議選監査委員を出すことで議会が活性化するのか? 私がこれまで経験した2期8年間で、監査で得た情報を議会に活かしてもらい、活性化したと感じたこと一度もありません。

本質的に、監査委員に守秘義務が課せられている以上議会の役割である「区政のチェック機能を強化するために議会から議選監査委員を選出して活かすということは制度上、不可能なのです。

一方、議会は、地方自治法で定められているように、監査委員に対して監査請求ができます。 議会で監査請求をすれば、そこで知りた情報は議会として区政をチェックする際に活用が図れます。つまり、議選監査委員を出さなくても、監査請求権を使えば、監査で得られた情報を活かして、議会のチェック機能を強化することは可能なのです。

なぜ、それほどまでに、議選監査委員の継続にこだわるのでしょうか。

「住民代表として議員が有する政策提案力を監査に活かすべき」との意見もありました。

ですが、区民の代表として区政を監視していくのは議会の場です。文京区議会では、慣例として、議選監査委員になった議員は決算審査委員から外れます。つまり、議選監査委員になることで議員活動制限されることにもなっているのが実情です。

本来、独立した第三者によって執行機関(区)を監査するのが、監査委員制度です。そして、その結果である「監査報告」は議会に提出され、それを、区民の代表として審議し、問題があれば区に改善を求めていくのが議会の役割です。ところが、議会を代表して選出された議選監査委員が報告する監査報告を、当の議会が審議するのでは、第三者性も独立性も担保されません。これは、制度上の矛盾と言えます。

「区民の目線で監査を実施できる議選監査委員は重要だ」との意見もありました。

地方自治法の改正を受けて、いち早く「議選監査委員」を選出しないことを全員一致で決定した大津市議会は、住民の目線で監査をする重要性を主眼に、監査委員に議会を傍聴してもらうことや、各委員会での議事録を速やかに提供するなどして、議会の議論を監査委員に迅速にフィードバックすることで、住民目線の監査を担保する措置をしています。

文京区議会でも同様のことができるはずです。

そもそもが、二元代表制として、執行機関(区)と議会が独立している制度の中、執行機関のトップである区長が任命する監査に議員が入ることそのものが、監査の独立性について疑問が生じるものです。区民の立場からは「独立性」が制度のかなめなのです。議会運営委員会での審議では、独立性についての回答は、一切得られませんでした。

 

最後に、

議選監査委員について、どのようにすべきか区民に開かれた場での議論を求めた請願についても、不採択となりました。

区民が傍聴できる場で議論をすること「誤解を招きかねない」との意見もありました。なぜ、区民の前で議選監査委員についてこのまま継続するか、廃止するかの議論をすることが「誤解につながるのか」、私にはわかりません。

開かれた議会を目指すべきはずが、議員が監査委員として関わるべきか否かを、区民の前で議論ができないというのは、どういうことでしょうか

議員報酬以外に、議選監査委員としての報酬も月額14万4900円(年間173万8800円)が税金から支払われている実態に対して、その費用対効果の面からも、議員の中でどのような能力・資質で監査委員が選れているのか、しっかりと区民にお伝えしていく、議論を公開することが重要だと思います。

みなさんは、どのようにお考えになりますか?

**********

以下は同じ会派の沢田けいじ議員が、傍聴しのメモです。

ご参考に添付しますので、各会派の意見にご着目ください。


議会運営委員会

日時:2019年6月21日(金)10:00-11:00

場所:第2委員会室

2. 請願審査(2件)

(1) 議員選出の監査委員の廃止に向けた検討を求める請願

【自民】前期で一度決定しているため、それ以上はない。議員が有する住民代表としての専門性(政策提案力など)を監査に活かすべき

【共産】廃止ありきではなく、役割を改めて議論すべき。報酬の見直しや守秘義務の範囲など、決定当時の田中座長や経験者を含め議論すべき。区長と対等の立場でチェックできるため、任期は一年でなくてもいい

【公明】成熟した議会運営のため必要。本会議でも全員同意で選任されたため問題なし。

【みらい】議会として監査請求や監査委員への意見陳述要請が可能のため不要

【創】専門性の問題は監査委員も共通。今回のようにベテランで頼りになる議員なら問題なし。ただし、属人的なシステムのトータルな見直しは必要。

【永久】新たな議論はこれから。区民の代表である区議会議員の代表者が監査にあたる必要性。懇談会でざっくばらんに議論すべき。

【市民】中立性について、執行機関に立ち向かう立ち位置は、まったくの中立。専門性について、かつての外部監査は的を射ない指摘が多く、専門家の視点が区民の利益につながるとは思えない。守秘義務について、一定の縛りはあっても議会のチェック機能を高める可能性がある。ただし、4年間の任期は馴れ合いになる危険がある

(2) 議員選出監査委員の廃止を巡るメリット・デメリットについて区民への情報提供と情報共有を求める請願

【永久】(1)に同じ。

【創】趣旨が分かりにくい。懇談会での議論も尽くしていないため公開できない。

【みらい】区民の理解不足を解消するためオープンにすべき。オープンでない懇談会での議論は問題。

【公明】逆に誤解を招きかねない。懇談会を軽視すべきではない。多数決ではない議論の場がある重要性。

【共産】メリット・デメリットというと軽いが、1の趣旨は理解できる。廃止ありきではないため、2,3は反対。

【自民】損得ではなく存在意義の問題。住民代表としての監査委員のあり方を問うべき。

【市民】ネット検索で調べた程度のメリット・デメリットでは、文京区議会の個別の課題やあり方に踏み込んでいないため反対。


【ご参考】
委員会の各会派議員構成はこちら

 

*2本の請願文書の内容は、こちら↓のブログページにてご覧になれます。

独立性・中立性・専門性に疑問!?~議会選出監査委員の廃止を求める請願

制度上「独立性」が担保されない議会選出監査委員にどんな意味があるのか?が

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