11月文京区議会~海津敦子の一般質問&区長・教育長答弁全文

先日11月21日に本会議で一般質問を行いました。私、海津敦子の質問と、区長および教育長の答弁を1問1答の形式に編集して、以下に全文を掲載いたします。

ちなみに、質問項目は次の通りです。

1.子どもの貧困対策は切れ目ない教育支援・生活支援等の多様な支援
2.建て替える学校はまちづくりの核、生涯学習の場としても積極活用
3.学校プールを通年開放して水中ウォーキング等で介護予防の場にも
4.区のルールは一般社会常識からズレた役所だけに通じるルール?
5.医療的ケア児のことは?すべての子どもを排除しない子育て支援を
6.小規模保育園等からの卒園児、確実に転園できるのか3歳の壁は?
7.学校スタンダード「みんないっしょがみんないい」教育が目的か?
8.児童相談所開設にむけての相談体制、LINEの活用を
9.区民の知る権利の担保は協働協治の大前提
10.サウンディング調査で民間の先進性の活用を

 

*海津の具体的な質問箇所は赤区長および教育長の答弁は青の箇所です。

 


 

目次(クリックすると移動します)

Ⅰ 子どもの貧困対策は切れ目ない多様な支援を

 

子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困状態にある子どもが健やかに育成される環境を整備し、教育の機会均等を図る子どもの貧困対策。文京区でももちろん重点課題です。子どもの貧困対策では、第一に「子どもに視点を置いて切れ目ない施策」を実施することが重要です。

 

1 こども宅食事業について

こども宅食事業については、区内の就学援助や児童扶養手当を受給する約1000世帯のうち、想定の3倍を超える458世帯からの申し込みがあり、150世帯を抽選で絞りました。今後はすべてが希望すれば、配送できるようにしていくべきです。抽選で選ばれない世帯があるのは、社会的孤立を深刻化させる一因にもなりかねません。

伺います。

  • 希望世帯数の予測が過少になった原因はどこにあると分析されていますか?
    • 【成澤区長】本年度の募集枠である150世帯は、NPO団体が他自治体で実施しているフードバンク事業の申込割合を参考として算出しました。しかしながら、LINEを活用した簡易な申込方法を導入したほか、テレビや新聞報道で大きく取り上げられたことなどから、当初の想定を大幅に上回る申込みとなりました。
  • 経費は、150世帯で半年2000万円ということであれば、単純計算で年間4000万円。今後、どの程度の世帯を想定されるのでしょうか。希望する全世帯に提供する場合の額はいくらと見積もるのでしょうか?
    • 【成澤区長】希望のあった全ての世帯に食品を配送できるよう、体制を構築する予定であり、来年度の事業経費については、コンソーシアムにおいて協議を行っているところです。
  • ふるさと納税の額によって左右される施策であってはなりません。ふるさと納税で必要な経費に届かなければ、どのようにこの事業を運営していくのでしょうか。量的・質的、両面でのお考えをお聞かせ下さい。
    • 【成澤区長】本年度は、積極的な事業周知を行い、目標額を大きく上回る寄附をいただいております。引き続き、効果的な広報を実施して協力を求めるとともに、コンソーシアムにおいて、寄附の状況に応じた事業展開について、創意工夫を重ね、検討してまいります。

 

こども宅食の経費を明確化することは、当然考えられていると思います。

  • ホームページ制作等の広報や仕組み構築等にかかった初期経費や人件費の詳細はどのような形でオープンにしていくのでしょうか?
    • 【成澤区長】今後、コンソーシアムで作成している「こども宅食ホームページ」等で、公表していく予定です。

 

こども宅食は入り口で、貧困の負の連鎖を断ち切るのが目標とのこと。切れ目なく教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済支援など速やかに適切な支援に繋げて頂きたいと思います。配送スタッフがSOSに気付くことがひとつのカギとなりますが、そこで伺います。

  • 配送スタッフは、どのような研修を受け、どのようなスキルを習得するのでしょうか?
    • 【成澤区長】スタッフは、高齢者見守り事業に携わっており、対象世帯に寄り添ったコミュニケーションが期待できます。更なるスキルアップについては、今後、コンソーシアムで検討していくものと考えております。

 

2 子どもの貧困対策にも学校図書館の活用を

生活に困窮する家庭は、子どもに学校以外の塾や習い事を与える余力がなく、子ども自身が進学できる学力・意欲を育めるような機会を得ることが困難です。小中学校の義務教育の時期に学力を培い・意欲を失わせないようにすることが、ひいては子どもへの貧困の連鎖を断つための重要な仕掛けとなります。

区は、学習支援にも力を入れ、小学1年生から利用できるように、できる限り自宅から通える距離の開設にも尽力し、親の経済力が子どもの教育格差につながらないよう努められていることに敬意を表します。

一方、残念なことに、学習支援を受けても家に勉強する場所がない等、学習環境が整っていない家庭の子もいます。そうした子どもたちにとって、学校以外で勉強を教えてもらえる場所だけでなく、日々勉強できる、家になくても本を手に取って読むことができる、そうした居場所が必要です。区長はそうした居場所を提供したいと思いませんか。学校にできれば最適です。日常生活の場である学校にそのような居場所があれば、物理的な移動だけでなく、友達との関係性等、利用する際のハードルを最小限にできます。

建て替えする学校の図書館は、動線を考慮して学校が使用しない放課後や祝祭休日には地域開放をし、子どもが勉強したり、本を読んだり、また地域の様々な大人たちに出会ったりと、家庭環境を補うような機会を提供する居場所として活用すべきではないでしょうか。

子どもの貧困対策に取り組む方々からは、学校図書館が使えるようになれば、学習支援を下支えし、教育格差を改善し、子どもの貧困対策に寄与する効果が見込め、将来の社会保障費の抑制にもつながる、と期待されています。伺います。 

  • 子どもの貧困対策は待ったなしです。学校図書館を地域開放し活用すべきです。学校設置者としての区長のお考えを伺います。
    • 【成澤区長】ご提案の目的による学校図書館の活用については、参加する児童・生徒のプライバシーが守られる環境整備が不可欠となります。また、放課後等の図書館使用に際して、動線の確保やセキュリティ対策、人員体制の整備など、いくつかの課題があるものと考えております。 区では、生活困窮世帯の子どもたちに対する学習支援の場を、身近な生活圏域ごとに設けております。さらに青少年プラザに学習スペースを確保するほか、放課後全児童向け事業では、図書室や家庭科室等を、宿題や読書等ができる活動場所とするなど、子どもたちの日常的な学習環境の整備を進めております。

 

Ⅱ 長期的視点、多様な視点で公共施設の設計を

 

1 学校は地域拠点や避難所として多面的設計を

学校は子ども達の学びの場であると同時に、国は、学校改築等について、地域住民にとって最も身近な公共施設として,まちづくりの核,生涯学習の場としての活用を一層積極的に推進するよう求めています。

  • 他自治体は、建て直す学校は、体育館、図書館、特別教室を地域開放しているところが少なくありません。そのための動線、運営管理も視野にいれた設計が行われています。区長の見解をお聞かせください。
    • 【成澤区長】「公共施設等総合管理計画」では、学校施設の整備方針として、防災拠点機能の充実や、地域特性に応じた特色ある学校施設の整備を進めていくことを掲げております。このことを踏まえ、教育委員会で進めている明化小学校や柳町小学校の改築では、体育館等を地域に開放できるよう、児童の学習や学校運営に支障のない動線を考慮した設計が行われており、今後の学校改築においても、これらの点を踏まえた検討を行っていくと聞いております。学校施設の地域開放については、公共施設の有効活用という観点から、他区の取り組みも参考に、今後とも研究してまいります。

 

現在、設計が進む明化小、柳町小だけでなく、今後は、千駄木小、小日向台町小の建て替えが予定されています。そこで伺います。

  • 学校間に格差が生じないよう、小学校整備指針をベースに、さらにLGBTや障害のある子ども等、職員への配慮や地域課題解決のための視点などを盛り込んだ、文京区としての学校設計ガイドラインを作成すべきではないでしょうか?
    • 【南教育長】学校改築に当たっては、文部科学省の施設整備指針を踏まえるとともに、地域の代表者や学校関係者等による改築基本構想検討委員会を設置し、個別の地域課題の解決にも対応するために協議を重ね、設計の前提条件となる、改築基本構想を策定しているところです。ご指摘のガイドラインの内容は、文部科学省の施設整備指針や本区が既に策定している性自認および性的指向に関する対応指針等に含まれていると想定しており、策定は必要ないものと考えております。 なお、今後とも、議員ご指摘の障害のある子どもなどに配慮するよう、きめ細かな設計を進めてまいります。

 

実際、格差が生じています。小学校施設整備指針では、学校教育を進める上で必要な施設機能として、体育館と一体的に「更衣室・便所。運動器具庫等」を標準として備えることが求められていながら、明化小の設計では整備されていません。国は、避難所として、また、地域の人の総合型地域スポーツクラブの拠点としても重視していることからも、体育館と一体的な更衣室は整備すべきです。

次に、設計で配慮すべきことについて伺います。

  • DV等で逃げてきている児童等の個人情報保護の観点から、地域開放の体育館等の利用者が教室の廊下等を通らないように移動できるよう動線に十分配慮する必要があります。現状の設計では的確に配慮されているでしょうか。
    • 【南教育長】体育館等の地域開放に当たっては、児童と利用者の動線が混在しないよう十分配慮した設計を行っております。また、教室が体育館等と同じ階にある場合でも、地域開放の利用者が教室の前や廊下を通らないような動線の確保と区画等の対策を検討してまいります。

 

2 将来の人口構成を見据えた学校設計を

今後、少子高齢化の進展に伴い人口構成が変化して、学校施設で空き教室ができた際には、最小コストで速やかに転用できるよう、先々を見据えた設計が重要です。特別教室を可能な限り一つの階に集約して、転用しやすくしている自治体もあります。伺います。

  • 各校の設計議事録、設計図からはそうした長期的視点が見えてきません。転用についてどのような視点をもって設計されているでしょうか。
    • 【南教育長】老朽化が進んでいる公共施設の改修・改築等に当たっては、これまでも、地域の特性や区民ニーズを踏まえ、学校施設を含めた公共施設の総合的な有効活用という観点から、複合化、集約化等について検討し、進めてきたところです。 また、柳町小学校の改築においても同様に、社会の変化に対応できるよう、将来的なレイアウト変更に対応しやすい構造を、可能な限り取り入れてまいります。

 

3 浸水が想定される1階の職員室は変更を

柳町小は水害ハザードマップで浸水地域に指定されていますが、現状の改築設計では職員室が一階に設計されています。

職員室は、重要書類の日常的な管理運用拠点であり、災害時に大きな役割を担う拠点でもあります。浸水すれば、重要書類やOA機器等が損傷する上に、その拠点機能が果たせません。2階に職員室を設置する小学校もある中、あえて危険が一番高い場所に職員室を設計すべきではないと考えます。伺います。

  • 浸水想定地域でありながら職員室を一階にする理由とその根拠をお聞かせ下さい。
    • 【南教育長】改築基本構想の中でも、校長室、職員室等の管理諸室は、屋外運動場や昇降口部分などの見通しがよく、校内各所への移動に便利な位置に配置することが重要であるとされています。 屋外運動場や昇降口は、1階に配置されているため、管理諸室は屋外運動場等に近接した1階に配置した計画としております。
  • また、先に述べた視点から他の階に変更するにあたって課題があればお聞かせ下さい。
    • 【南教育長】なお、階の変更に当たっては、地域の代表者や学校関係者との合意を得ているスケジュールの大幅な変更が必要であり、新校舎開設時期が長期にわたり遅れることが想定されるところであります。

 

4 大規模建築計画の早期把握と的確な想定を

柳町小学校の学区内に位置する共同印刷が平成34年3月の完成をめどに本社の建て替えを明らかにしています。近隣からはマンション等の住居棟も建設されるとの話も聞こえてきます。

仮に住居棟も建設されるのであれば、入居される世帯数に応じ、保育園等を敷地内に整備してもらうことは可能かと思います。しかし、学校を作ってもらうことはできません。

  • 柳町小学校は、今後学区の児童が増えることも十二分に想定した設計となっていますでしょうか。想定した児童数の推移と、想定を根拠とした具体的設計についてお聞かせ下さい。
    • 【南教育長】小学校の今後の児童数の推移については、現在の0~5歳児の人口を基に、公立学校への進学率も勘案しながら想定しております。また、柳町小学校の改築基本構想検討委員会においても、少人数指導等による学習に用いる教室を含め、各学年4教室を整備する方針としております。このことから、この方針に沿って、現在設計を進めているところです。

 

5 学校プールを開放してプール不足の解消を

国は、介護費の抑制に向けて介護予防に力を入れ、身近なところでの社会参加の促進にも工夫を求めています。ところが、高齢者計画で介護予防の一貫として予定する高齢者の水中ウォーキングや水泳等々が計画されていますが、希望者に対してプールが足りるとは思えません。プールを新設できる土地の確保が難しい区にとって、建て替える学校のプールを年間通して開放すれば、希望する高齢者が介護予防に参加できる環境整備になり得ます。400人を超す区営プールの子ども水泳教室の待機を減らす効果も見込めます。が、そうした視点は計画に見えません。伺います。

  • 学校プールの通年開放についてのお考えをお聞かせ下さい。
    • 【南教育長】区民の皆様や関係者と改築基本構想検討委員会において議論され、改築する小学校については、校庭が狭いことなどから、プールを利用する夏季以外の期間は、プールの上に床を張って人工芝を敷き、体育の授業での使用や、休み時間や雨天時などに児童・生徒が運動をしたり、集会等を行う場所として有効に活用する計画としております。このことから、プールの地域への開放は、夏の期間に実施してまいります。

 

Ⅲ 完成後不具合が後を絶たない公共施設の設計

 

限られた財源の中、公共施設の大規模改修や建て替えには、時代の変化で多様化する行政課題や区民ニーズを的確にとらえ、20年後にも通用する公共施設とすることが大命題であるはずです。

ところが残念なことに、真新しい施設でありながら、雨漏りや錆が発生するなど様々な問題が発生しています。

自宅に置き換えるならば、新築間もないうちにカビや錆びが発生する。雨漏りが何回も起きる。こんなことになったら大問題で、施工業者との間に訴訟も起きかねないのが一般常識です。区長のご自宅のビルが完成後、わずかな時間で雨漏りや錆が発生したならば、徹底した原因究明と対策を設計者や施工業者に要請されるのではないでしょうか。

 

1 放置されているに等しい総合体育館の不具合

まずは、総合体育館について伺います。

平成25年4月オープン以来、総合体育館でたびたび発生している雨漏り・カビ錆び問題など、度重なる不具合への対応について憂慮し、私たち会派としてはこの間ずっと原因究明と抜本的解決、また区民への説明責任を果たすよう区に求め続けてきました。

そうした中、この10月22・29日に新たな雨漏りが発生し、衆議院議員選挙開票作業に影響し、区民スポーツ大会でも区民にご不便をおかけしたと聞いています。

昨年9月の私たち会派の一般質問では「御指摘のような不具合が生じていることを真摯に受け止める」と答弁され、更には「再び看過できない課題が生じた場合には、改善のための組織の設置を含め、適切に対応してまいります。」と区長は明言されています。

伺います。

  • ご答弁から一年たちますが、この間に区が実施した調査はカビのみで、その額約6万3000円です。なぜ、徹底した原因究明がなされてこなかったのでしょうか。お聞かせください。
    • 【成澤区長】先月22日及び29日の台風接近の際に、総合体育館のアリーナに生じた雨漏りにより、ご迷惑をお掛けした利用者、関係者の皆様には、改めてお詫び申し上げます。この度のアリーナの雨漏りの際には、当日現場で、施工者にでき得る限りの対応を求めました。翌日には設計者、施工者と共に現地調査を行い、施工上の瑕疵との認識を共有し、既に、施工者により、応急的な補修工事が行われております。防水工事の保証期間内であることから、今後は、体育館の運営と調整を図った上で、施工者の責任において改修を行ってまいります。なお、衆議院議員選挙における開票作業には支障がなかったとの報告を受けております。

 

  • 徹底的な原因究明と区民への説明、また抜本的解決策と、それらの実効性を担保する意味での第3者による検証委員会の設置を、再度区に求めます。御答弁ください。
    • 【成澤区長】また、施設運営にあたって生じた課題は、毎月の指定管理者との定例打合せにおいて、その都度、解決に努めてきたところです。引き続き、適切な換気・空調管理を行うとともに、清掃等を徹底することで、良好な環境を維持してまいります。この度の雨漏りについては、施工上の瑕疵であることを、施工者と共に確認し、自らの責任で対応する旨の申し入れを受けております。そのため、現時点において、第三者による検証の必要性が高まっているとは認識しておりません。

 

2 抜本修理をせずお化粧直しだけの学校快適化

次に3年計画で進行する学校快適化事業について伺います。

自宅であれば、雨漏りを修繕せずに室内の壁等の表面的な内装工事を行ったりしません。

雨漏りを直さない限り、雨が降れば綺麗にした壁がダメになることは明らかだからです。

しかし、区は、雨漏りの改修を行わずに学校快適化事業を行い、ある小学校は、この夏に壁を塗ってわずか1カ月半で、校内のいたるところで、このような状況です。(フリップ①②)

(フリップ①②)

雨水が壁の内側に染み込んで上塗りした塗装が剥がれ、内部の金属のサビも露出しています。しかも、教員の多忙改善が重要課題である中、雨が降れば、先生たちが廊下を拭いて回っている状況です。

教員の多忙が課題となっている中、このような無益な行為をさせているのは区であると言えます。保護者からは、まさに税金の無駄使いとの声も上がっています。

外壁・サッシの改修の順番が先に決まっていたのはわかります。しかし、内装工事である学校快適化と外装工事等は一体的に実施可能なはずです。区のルールは、一般社会の常識からズレています。想定できるリスクを未然に防ぐために、工事の順番を変えるなど、常にプロセスを検証し、最適化していくという柔軟な意識、発想はないのでしょうか。

税金を使っての事業である上に、しわ寄せを被るのは子どもたちです。

伺います。

  • 学校快適化を行った後に、雨漏りで内壁が剥がれる落ちた学校は何校あるのでしょうか。
    • 【南教育長】台風による大雨や強風による吹き込み、湿度の上昇により、外部側の内壁の塗装の浮きが生じている部分は、適切に塗装部分を除去し、補修しているところですが、内壁が剥がれ落ちた学校はございません。 また、雨が降った際に廊下等の床が濡れることに関しては、早急に原因を特定し、適切に対応してまいります。
  • こうした学校快適化事業を区長としてどのように評価しているのか、今後の方針もあわせてお聞かせください。
    • 【成澤区長】快適性向上事業は、築30年以上が経過している小・中学校について、快適な教育環境を整備するため、スピード感を持って実施しております。 一方、外壁・サッシ改修事業は、安全で良好な教育環境を提供するため、老朽度合いに応じて、順次、計画的に実施しております。これまで、工事期間が長期にわたり、各種調整が必要となる外壁改修等に優先して、快適性向上事業を推進してまいりました。 なお、雨漏りが発生した場合には、快適性向上事業の実施校を含め、早急に原因を特定し、適切に対応することで、子どもたちの教育環境を整えてまいります。

 

Ⅳ すべての子どもを排除しない子育て支援を

 

1 医療的ケア児のための基礎的環境整備を

障害者差別解消法が施行されて、自治体は、どのような障害のある子どもも希望があれば、保育園等に受け入れ、障害を理由に断ることは差別にあたるとされています。

世田谷区では、人工呼吸器や経管栄養やたん吸引等々を要する医療的ケアが必要なお子さんの保育園入園のために園全体の定員を減らしてまで、基礎的環境整備を進めています。伺います。

  • 医療的ケア児の区立保育園への入園希望があったときには、世田谷区のように定員を減らしてでも合理的配慮のための環境整備を進める、過重な負担がかかるからと入園を断ることはない、との認識でよろしいでしょうか。
    • 【成澤区長】医療的ケアの必要性を理由に、保育園を子どもの発達の場としての選択肢からはずしてはならないと認識しております。 医療的ケア児の受入れにあたっては、安全・安心な保育環境と協力体制が不可欠と考えております。子どもの生命に関わることもあるため、対応については、個々の状況に応じ、慎重に判断してまいります。

 

文京区は、医療的ケア児ひとりを受け入れているものの、寝たきり医療的ケア児に対してはまだこれからです。建て替える青柳保育園の現状の設計は、部屋の配置を変更することによって、そうした子どものための部屋を整備することが可能です。そのことは、私たち会派としても再三指摘してきました。ですが、区は、「ここまで進んでしまったから」「ここまで積み上げてきたことだから」との理由で、医療的ケア児のための基礎的環境整備をしないまま着工しようとしています。部屋の配置を変えれば整備できることをやらない。それでは、区が「医療的ケア児を切り捨てる」と宣言していることと同じです。

だれも排除することのない子育て支援こそが、文京区の理念であるはずです。職員行動指針で示されたスピリット「区の代表として本気で区民と向き合います」はいずこへ行ってしまったのでしょうか。伺います。

  • 合理的配慮のための施設整備は、後から改修するよりも、新築時に整備するほうが、他の児童への影響も小さく、費用としても安価で、合理的です。青柳保育園の部屋の配置を変えればできる医療的ケア児の基礎的環境整備を行わず、現設計のままでいくのでしょうか。
    • 【成澤区長】青柳保育園の設計については、限られたスペースの中で、よりよい保育ができるよう、関係部署間で協議を重ねてまいりました。また、保護者への説明と理解を得て、決定したものであり、部屋の配置等を変更する考えはございません。 なお、医療的ケア児の保育については、子どもの状況に応じた保育方針、職員の連携、保育の中での工夫、保育環境の配慮等により対応してまいります。

 

2 夜間・休日保育ニーズ対応で子育て支援を

夜間保育、休日保育を必要とする家庭がある現状があります。

23区中、夜間保育6区、休日保育は13区で実施されています。

  • 子育て支援の観点からもニーズがあり、実施が必要です。年末保育のような実施方法もあるかと思います。伺います。
    • 【成澤区長】まずは、子育て中の保護者の働き方の見直しを含む、ワークライフバランスの確保が重要と考えております。その上で、区においては、延長保育等の充実により、多様化するニーズに対応してまいりました。また、必要に応じて、キッズルームシビックをはじめとした様々な子育て支援サービスを、夜間・休日にもご利用いただいているところです。現在、待機児童解消のため、限られた保育士を有効に活用し、認可保育園等の充実を最優先として進めており、保育園において、夜間・休日保育を実施する考えはございません。

 

3 園庭保有率最下位ならば中学校庭の活用を

幼稚園は園庭を必ず整備しなければなりません。23区中、園庭のない保育園率がワースト1の自治体として文京区が上げられたことに、区も心を痛めているのは十分に認識していますが、まだまだすべきことはあると思います。区立中学校がなぜ1中だけしか活用しないのか。しかも、久堅保育園の仮設園舎のときよりも狭い園庭になっているのか。HP上で検討した経過を公開し、区民に説明責任を果たすべきです。

  • 1中だけでなく、区立中学校の校庭を認可保育園の開設に向けさらに積極活用すべきと考えます。できていない理由を伺います。
    • 【成澤区長】学校敷地の活用については、運動場面積の確保や、学校活動への影響等の課題があるため、慎重な検討が必要となります。第一中学校の活用についても、これらの観点から教育委員会と協議し、決定したものです。今後も、学校敷地を含め、区有地及び区有施設の積極的な活用を検討し、スピード感を持って待機児童対策に取り組んでまいります。

 

  • 小さな公園を園庭のない保育園が譲り合い、外遊びの時間も十分に取れない中、はるかに広い園庭を持つ区立お茶の水子ども園は園庭を解放していません。すべての区立幼稚園、保育園・子ども園は園庭を提供すべきと考えますが、伺います。
    • 【成澤区長】区立幼稚園においては、土曜日や長期休業期間に、地域の子どもたちを対象とした園庭開放を実施しております。園により具体的な運営状況は異なりますが、地域の保育園の利用についても、必要な調整を行ってまいります。また、区立保育園においては、私立保育園との相互連携を推進し、園庭をはじめとする施設の相互利用を行っております。なお、お茶の水女子大学こども園については、敷地内に限られた範囲の園庭はありますが、遊び場として活用しているのは大学の敷地であることから、引き続き大学側と利用について協議を行ってまいります。

 

4 保育園・預かり保育も3歳の壁の解消を

「100都市保育力充実度チェック」の2017年4月のデータによると、3歳児定員のゆとり度は93%。数字上100人中7人は入れないことになります。

小規模保育園の開設も進み、幼稚園の預かり保育も3歳児は定員一杯になっています。転入児童が増えていることからも保護者から心配の声が尽きません。

  • 小規模保育等を卒園した2歳児が、3歳の4月には確実に認可保育園等に転園できる保証があるのでしょうか。文京区では3歳の壁は存在しないのでしょうか。伺います。
    • 【成澤区長】私立認可保育所の開設にあたっては、2歳児と3歳児の定員に傾斜を設け、小規模保育所卒園児の受入れが可能となるよう努めているところです。なお、年齢に上限のある区内の認可保育所及び小規模保育所については、卒園時に調整指数において加算を設け、引き続き保育所に通えるよう配慮しております。
  • 文京区として一定規模以上のマンション建設事業者と、保育園の設置協議をするにあたり、保育園整備を促進するために、どのような対策を考えていますでしょうか。
    • 【成澤区長】総合設計制度を活用する建築計画や高さ60m以上の建築計画等では、これまでも事業者との協議の中で、必要に応じて、保育施設の設置について要請してまいりました。今後は、住戸数100戸以上、又は、延べ面積1万㎡以上の共同住宅や寄宿舎の建築計画についても、必要に応じて、保育施設の設置を事業者に要請してまいります。

 

5 公立と私立で差がある保育園の保育士体制

  • 公立認可保育園と私立認可園では、保育士の配置状況及び経験年数や、常勤・非常勤の比率にどのような違いがあると把握していますか。その違いの要因と課題をどのように分析されていますか。伺います。
    • 【成澤区長】公立・私立ともに年齢別配置基準を上回る人数の常勤保育士が適切に配置されております。また、一時保育や障害児保育の対応等、各園の取り組みにより、様々な体制や勤務形態で雇用されていることから、常勤・非常勤の比率を一概に比較することはできないものと考えております。なお、多くの新規開設園があることや雇用条件等の理由から、保育士の平均経験年数が短い私立園があることは把握しております。そのような園に対しては、重点的に巡回指導を行うなど、適切に対応しております。

 

6 最も事故リスクが大きい0才児保育の課題は

子ども・子育て協議会において、保育現場の声として「保育士の確保が難しくなってきている。未熟な保育士も現場に投入せざるを得ない。そうした中で事故リスクの大きい0歳児保育について現状のままで良いのか」。利用者の声としても「1歳児から保育園に入園できれば、育休が取れるので自宅で保育できるが、入園の権利を確保するために0歳児から入園させざるを得ないことに葛藤を感じる」という指摘がなされました。伺います。

  • そうした0歳児保育をめぐる状況に対し、区としてどのように考えているのでしょうか。
    • 【成澤区長】保育所の入所希望者は、基本的に就労を要件としていることから、育児休業制度などの労働政策や働き方全般の課題に対する、一層の取り組みが重要であると認識しております。一方で、職場の状況等で、0歳児クラスから子どもを保育所に預けたいというニーズもあり、今後も、保育士の確保と質の向上に努め、保護者が安心して預けられる0歳児保育を行ってまいります。

 

Ⅴ 文京区の教育は区がリーダーシップを

 

1 広がる学校スタンダードに問題はないのか

区内の小学校では、学校スタンダードの策定が広がる中、あいさつや、返事、言葉遣い、靴のそろえ方、授業中の姿勢、廊下の移動の仕方、筆箱の中身まで学校スタンダードで決められています。

指導の目安として使うなら良いものの、子どもや保護者等に向けて掲げ、そこから外れるやり方は指導の対象になるのだとしたら、型を押し付ける管理教育と危惧されても仕方ありません。

いかなる指導も子どもに寄り添う心が前提にあるべきものであり、掲げたスタンダードに固執し、やり方が違うからと、厳しくやり直しをさせたり、責め立てたりするようなことがあれば、子どもの心は萎縮し、自己防衛のために自ら画一的な個性を身につけてしまいます。

多様な子どもたちが、一人ひとり生き生きと輝くことが大切であり、ダイバーシティを掲げる区であれば「みんなちがって みんないい」を目指しているはずが、「みんないっしょが みんないい」を強制するような、ダイバーシティとは真逆の教育が文京区の教育であることになってしまいます。道徳の教科化も控え、保護者等から不安の声が上がる中、今、教育のあり方が問われています。教育現場である学校の方針に委ねるのではなく、区として一定の方針を示す必要があると思います。そこで伺います。

  • 各校が掲げている学校スタンダードについて、どのように評価していますか?
    • 【南教育長】学校教育は、多数の児童・生徒を対象として、一定期間に、一定の資質能力を育成するものであるため、共通性が求められます。また、教育目標の達成のためには、学校全体の共通理解と取組が不可欠となっており、学校スタンダードはその1つの手段と捉えております。 一方で、児童・生徒は一人一人異なった個性をもっており、人として必要な共通の基盤に立つ資質能力の育成とともに、社会的な自己実現が図られるようにするために、一人一人の個性的な資質能力を伸ばしていくことも重要であると認識しております。そのため、学校では、児童・生徒の個性や能力に応じた様々な取組を実施していると理解しております。
  • 道徳の教科化や学校スタンダードの策定に際して、区としての方針や指針を示すべきと思いますが、お考えを聞かせてください。
    • 【南教育長】道徳に限らず、学校がどのように教育課程を編成すべきかについては、教育課程の基準として文部科学大臣が公示した学習指導要領に基づき行われるべきものと考えております。そのため、教育委員会が一律に区の方針や指針を示すのではなく、基準である学習指導要領に基づき、教育課程編成にかかわる基本的な考え方を毎年学校に説明しており、今後もその方針としてまいります。 なお、学校スタンダードは、各学校において、こうした考えに基づき策定しているものであり、引き続き、各学校の主体性を尊重してまいります。

 

2 学びの教室の評価検証とさらなる改善を

4月にスタートした学びの教室。保護者は先生たちに対し、通ってくる子ども一人ひとりが通常学級の授業に安心して参画し、自己肯定感を育めるように、アセスメントに裏打ちされた適切な教材や指導の工夫などを、通常級の担任に提供できる高い専門性を求めています。さらには、学びの教室での教科の補充の実践を望んでいます。伺います。

  • より高い専門性と教科の補充の実践に向けて、先生たちにどのような研修などを実施されていますでしょうか。
    • 【南教育長】学びの教室の教員が高い専門性を持って巡回指導をするために、各拠点校では、児童の特性に応じた指導方法や指導内容について、OJTによる研修や、講師を招いて授業等の実践を行う研修を年2回実施し、教員の資質向上に努めております。教科の補充については、これまでその文言から、各教科の補習的な取組みと混同されるなど、正確な理解が進んでいなかった側面があります。そのため、学校教育法施行規則第140条の一部改正により、「障害による学習上又は生活上の困難を改善し、又は克服することを目的とする指導とし、特に必要があるときは、障害の状態に応じて各教科の内容を取り扱いながら行うことができるものとする。」と示されました。今後とも、教育課程説明会や通級指導学級合同担任会等で、このことについて、教員に周知・徹底するとともに、教育課程を受理する際に、個別具体に指導内容を把握してまいります。
  • 学びの教室の児童に対して、個別指導計画の確実な実施ができていないことをどのように分析されているでしょうか。
    • 【南教育長】学びの教室に通う児童の個別指導計画は、すべての学校で作成するよう指導しております。作成された個別指導計画に基づく指導の状況については、年間を通して学校が保護者と面談し、学びの教室における特別な指導の成果や、通常の学級における適応状況、家庭での児童の成長等を共有するとともに、改善するよう指導しております。今後も引き続き、学びの教室の児童が在籍学級における適応力を高めるために、実効性がありPDCAサイクルに基づく指導が充実するよう、個別指導計画を作成してまいります。

 

3 人間関係固定化防止でいじめ対策・予防を

先日、文教委員会で視察した奈良市では、ほとんどの学校が、子どもの人間関係の固定化を防ぐため、毎年、クラス替えを実施し、担任交代を行っているそうです。非常に有効な手立てだと思います。

実際、子ども同士の関係上のいじめだけでなく、学校現場では、先生からレッテる貼りをされ苦しんでいる子がいます。声の大きな子どものことしか取り上げない先生や、出る杭は打つ先生もいて、先生の指導で自信をなくす子どももいます。

  • 文京区立学校では、人間関係を固定化しないための策をどのようにとっているのでしょうか。伺います。
    • 【南教育長】学校では、望ましい人間関係の構築のために児童・生徒の実態や、教職員の実態等を踏まえ、校長が学校全体のバランスを考えながら、責任をもって判断し、様々な取組を行っております。例えば、ご指摘のクラス替え及び担任替えを始め、小学校における一部教科担任や、中学校の複数担任、さらには少人数指導などを実施しております。今後とも、校長が各学校の実態を踏まえ、責任をもって判断し、よりよい人間関係が構築できるよう、努めてまいります。

 

Ⅵ 児童相談所開設に向けての相談体制について

 

1 相談には効果が出ているLINEの活用を

長野県教育委員会がいじめの相談をLINEで受けたところ、2週間で1579件のアクセスがあり、内547件の相談に乗れたとのことで、前年度1年間の電話相談259件をはるかに超える効果がありました。そこで伺います。

  • 文京区でもいじめ相談をLINE でも行うとともに、児童相談所開設に向けて、子ども自身が虐待を受けているケース等の相談もLINEで受ける新たな相談体制を始めてはいかがでしょうか?
    • 【成澤区長】児童虐待の通報・相談は急増しておりますが、そのうち虐待を受けた児童からの通報件数は、全体の1%に満たないという実態があります。 こうしたことから、国では、児童本人が相談しやすい体制の構築に向け、SNSからの通報・相談の受理についての検討に入っており、その動向を注視してまいります。
    • 【南教育長】現在、教育センターでは、24時間対応のいじめ電話相談を開設しており、夜間休日を含めたいじめ相談の受け皿としての機能を担っております。いじめ相談におけるLINEの活用につきましては、今後の課題と捉えておりますが、国の検討状況を注視するとともに、引き続き迅速かつ容易に相談できる体制を整備し、いじめの早期発見に努めてまいります。

 

Ⅶ 区民の知る権利の担保は協働協治の大前提

 

1 議事録等の迅速な公開で区民の関心の喚起を

区は「協働協治」を掲げています。区政に対する区民の関心を高め、参画を促すには、まず、知ってもらうことが肝心です。ところが現状では、行政情報センターにある議事録等もHPで見られません。政策過程の議事録が残っていないこともあります。伺います。

  • 音声認識技術などを駆使して、職員に負担をかけることなく議事録等を作成し、速やかにHP上に公開することが重要かと思います。どのように検討されていますでしょうか。
    • 【成澤区長】政策過程等の議事録については、一定の会議体において作成しておりますが、作成にあたっての基準については、現在検討しているところです。ご指摘の音声認識技術の活用については、他の自治体の状況なども参考にしながら研究してまいります。また、公開方法については、情報公開条例に係る規定を踏まえて、対応してまいります。

 

Ⅷ サウンディング調査で民間の先進性の活用を

 

1 サウンディング調査で民間の先進性の活用を

小石川にある閉鎖中の国家公務員研修施設について、国から活用の意向を打診されることが想定されます。

立地が非常に良いことからも、購入し、区有財産として生かすべきです。

購入検討に際しては、区役所内だけで決定するのではなく、民間事業者からも広く活用アイディアを募る、サウンディング調査を実施し、前例にとらわれない先進的なアイディアを幅広く集め、区民ニーズに合致したプロジェクトの可能性や、より付加価値の高い活用を検討し、その経過を公開して広く区民の意見も聞いてもらいたいと思います。伺います。

  • 小石川の国家公務員研修施設について、国から購入の打診があった場合、どのような方針で対応するお考えでしょうか。
    • 【成澤区長】小石川三丁目の国家公務員研修センター跡地については、現在、国において処分等の準備を進めているところと聞いております。国有地等の活用にあたっては、区民ニーズや社会情勢等を考慮しながら、「基本構想実施計画」や各種計画に照らし、多角的な検討を行っているところです。当該土地について国から情報提供された際には、土地の形状や起伏、接道条件等の与条件を踏まえた上で、活用の可否を含め、検討してまいります。 また、ご提案のサウンディング調査については、公平性や透明性を確保しながら、市場性を的確に把握し、多様な活用アイデアを収集する有効な手法と認識しておりますので、本件に限らず、プロセスの一つとして、導入の可能性を研究してまいります。

 

  • 他の案件にも、例えば、小石川図書館の建て替えにあたっても活用法など、区政課題の解決や区民サービス向上のため、広くサウンディング調査の手法を用いて、先進的な民間の経験や知恵、ノウハウを取り入れ、時代の変化や長期的視点に立った、より複合的な付加価値の高い公共施設にすべきと考えますがいかがでしょうか。
    • 【南教育長】小石川図書館の改築につきましては、現行の基本構想実施計画に記載のとおり、平成31年度までに改築検討委員会を開催し、報告書の作成に着手してまいります。委員会では、区民、地域関係者及び学識経験者等による幅広い審議を想定しており、ご提案のサウンディング調査については、今後の研究課題と捉えております。

 


以下は、答弁終了後の海津の自席からの発言です。

ご答弁ありがとうございました。自席から発言させていただきます。

まず、柳町小学校の改築設計に係る職員室の1階配置に対するご答弁について申し上げます。区が作成した水害ハザードマップで浸水が想定されている危険箇所であることとの矛盾について、一言も触れられなかったことは大きな問題だと言わざるを得ません

ご答弁では改築基本構想の一文「校長室、職員室等の管理諸室は、屋内運動場や昇降口部分などの見通しが良く、校内各所への移動に便利な位置に配置すること」を根拠にされましたが、想定したようにひとたび浸水したら「見通し」や「移動に便利」どころか、そこにとどまることが出来ません。現に水害ハザードマップは「緊急時の避難等に役立てていただく」としているわけで、大いに矛盾することは誰の目にも明らかです。

さらには、「変更するとスケジュールが大幅に遅れる」とおっしゃいました。「スケジュールが遅れるから、問題が発覚しても軌道修正しない」、本件に限らず、まるで免罪符のようにあちこちの場面で使ってらっしゃるご自覚はおありでしょうか? 

途中工程で新たな問題の想定が見つかったならば、速やかに対策なり軌道修正を行い、プロセス全体を見直し、再度スケジュールを最適化する。問題、すなわち区民の不利益を未然に防ぐことは区の責務です。完成後に改修や追加工事を行うことは、税金の無駄遣いであるだけでなく、そのような区の仕事の仕方の悪しき伝統を繰り返すだけです。真に区民の最善の利益にかなう仕事の仕方へと、区長のトップダウンで改革して頂くことを切に願っております。

次に、医療的ケアが必要なお子さんについて申し上げます。

区長は、「医療的ケアの必要性を理由に、保育園を子どもの発達の場としての選択肢からはずしてはならない」とご答弁なさいました。もっともだと思います。大賛成です。

ただし、現実は違っているようです。医療的ケアが必要なお子さんが、保育の必要性を認められていながらも、そのお子さんに適した環境がないから入れないと、入園を断られているそうです。これが実態です。

にもかかわらず、いまだに、青柳保育園をはじめ、設計の部屋の配置を変えれば出来るのに「ここまで進んだから。スケジュールが大幅に遅れるから。」という理由でやらない。そうした体質というのは、まさに税金の無駄使いではないでしょうか。

区が掲げるスピリッツ、区民と本気で向き合う仕事ぶり、そういうものに対して、一人ひとりのお仕事ぶりは評価に値するものだと思いますが、組織全体としてはいかがなものか、と私は思っております。今回のご答弁からも、そこは切に感じているところです。

そしてまた、「国の動向を注視する」というお答えが非常に多かった。子どもたちには、アクティブラーニングで、主体的に物事を判断して積極的に動きましょう、と言いながら、常に国の動向を待っている。それは、子どもに見せる背中でしょうか。国をリードして、文京区から発信して、国が様々な法律を整備していく、そうした区政を私たちは望んでいますし、議会としてもそこに力添えしていきたいと思っています。

あとは、同僚議員と一緒に各委員会で深めさせていただきます。

ありがとうございました。


 

文京区議会11月一般質問~海津敦子

文京区議会HPに動画がUPされました→こちらからご覧になれます

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